アナリティクス

2016年11月30日水曜日

石拾いの旅、富山県境海岸と黒部の海岸 |思い出その九と十|

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石の人

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Toumo

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石拾いの旅|富山県境海岸と黒部の海岸

石拾い 海 富山県境海岸と黒部の海岸






















2016年4月30日。

4月中、僕はこの日を待ちわびていた。
ずっとずっと福井に思いを馳せていた。
福井在住の石に祝福された男、TADAから、あるメッセージを受け取ったからだ。
(→思い出その八 〜意外な石との出会い、福井県雄島〜

TADAよ、雄島での一度の石拾いで石の人になってしまうとは、
実に恐ろしい。石の魔力。いや、これはTADAの異常な石を受け入れる早さなのだ。

たしかに僕もデザイナーEの石を見てすぐに拾いたくなった。 しかしあれは、御前崎の石だ。天竜川から流れた様々な石が海によって美しく磨かれ、侘び寂びのある、石ころの真骨頂。
だがTADAが雄島で拾った石は、形は無骨、手触りはざらざら。初心者が愛でるには難易度が高い。

僕くらいの手練になると、他の石との表情の違い、形容しがたい渋みを見いだす事ができるようになるが。はは。

え、、、。まさか、それを一瞬で見い出したというのか。TADA。
、、、いや、気のせいだろう。ということにさせて。

そして不幸、いや幸運なことに、彼の住む福井には石ころのある海岸がたくさんあるらしい。海がきれいで様々な石がある。福井の海は人も少なく拾いやすい。
石拾いには打って付けだ。名古屋在住の僕からすると、とてもうらやましい、、。(愛知にそんな海はない。)

まあ、ともあれ石仲間が増えることは実にうれしい。
石の人は基本孤独なのだ。大人数で石を拾う楽しさも福岡の一件で実証済み。
(→思い出その七 〜福岡県遠見ヶ鼻、石拾いの戦い2日目〜

それではそろそろ、福井に向かう。
こんな頻度でTADAに会うとは、まさか石という共通の趣味ができるなんて想像もつかなかった。

名古屋駅からバスで福井駅へ向かう。
ゴーゴーゴー。
福井駅に着くと、ロータリーにTADAが車で迎えにくる。「どーも。」

前回の石拾いから一ヶ月も経っていない。
特に仕事やプライベートの近況報告もないまま、すぐに富山県、境海岸に向かう。
石の人二人となれば超ストイックな石の旅のはじまりだ。
車中の会話も全て石。どこの石ここの石。こんな石あんな石。TADAは雄島で開眼した後、メッセージで送ってきた写真の、家から一番近い海岸、浜地海水浴場で石拾いを何度も行っているらしい。

ん?ちょっとまって、、。
その海岸に行こうよ。メッセージ送ってくれたじゃないですか。
、、、。
TADA、問いかけを軽やかにスルー。
え?
あの良い感じの石たちを拾いたいのだが、、。

石拾い 海 富山県境海岸と黒部の海岸


富山県、境海岸。通称ヒスイ海岸に到着。

実はこの海岸、東京在住のデザイナーKと、新潟県糸魚川のヒスイ海岸で石拾いをした翌日、訪れた海岸だ。
思い出その四 〜今度こそは翡翠を、富山県境海岸〜

それにしても、TADAが車のトランクから何かを取り出していたな。スコップと軍手とジップロック。
、、、、、何だそのフル装備は。
僕は何回も石拾いしているというのに、コンビニのレジ袋のみ。
ちなみにジップロックはイージージッパーMで

TADAの用意周到さに驚きつつ、石を拾い始める、、。
この海岸、この前も書いたかもしれないが、名前の通り翡翠が採れることで有名なので、翡翠目的の人が結構いる。みんな石拾いをしている。

ん〜、でもやっぱり翡翠は採れない。多分プロの翡翠ハンターがすべて持って行ったに違いない。そもそも翡翠目的で石拾いすると、ほかの面白い石を見逃してしまう傾向にあるので、すぐに翡翠探しはやめることにした。
今日は、面白い、美しい、趣深い石を探すことに専念する。

TADAが、もくもくと石を拾う。なにやら白い石ばかり探している。
翡翠は一見、白っぽい色をしているとネットで読んだことがある。
どうやらTADAは翡翠を手に入れようとしているらしい。ぬぬぬ。

この時点で、僕が最もライバル視している石の人はTADAである。デザイナーEもなかなかのものだが、熱量、環境ともにTADAが早くも上回ろうとしている。
もしかして、もしかして、石の聖人、石聖(いしひじり)に一番近い人間なんじゃないか。そんな不安がちらりと過る。

なんだ石聖って。
僕が勝手に妄想している、石の人が行き着いたその先の境地、石の悟りを開いた者のことである。
そんなアホみたいな妄想、膨らまさないでさっさと拾えや、、。

とりあえずTADAが翡翠を見つけない事を願って、また拾い始めた。

ころころころ〜。

海で拾った石|富山県境海岸

石拾い 海 富山県境海岸と黒部の海岸


そして拾った石はこんな感じ。

うーん、特に驚きもない石の面々、、、。やっぱりヒスイ海岸は糸魚川のほうがいいなあ。翡翠も見つからないしさあ。
この中でお気に入りを挙げるとすれば、一番上の段の左から三番目。ダルメシアンのようなブチのついた石。結構面白いし、めずらしい。

そういえば、TADAの翡翠探しの結果はどうなったって?
めでたく見つけられませんでした〜!
良かった。良かった。

いや、正直言うとちょっと見たかったですよ、翡翠。でもやっぱりなかなか難しいみたい。

石拾い 海 富山県境海岸と黒部の海岸



寄りのカット。
悪くはない。でもめちゃめちゃ良いわけでもない。

これで本日は終了、、。ではない!

実はTADAの家に帰る途中に、もう一カ所海岸に行く事にした。TADAチョイス。
それは、同じく富山県の黒部の海岸。
そこは行ったことないわ。未知の海岸で石拾い。胸が高鳴る。

さっそく行こう!ゴーゴーTADA!
お前も運転しろよ、石の人。

石拾い 海 富山県境海岸と黒部の海岸


着いた。

もう日が暮れてきたねえ。

雲の隙間から差す太陽光がとてもきれい。エンジェル・ラダーと言うらしい。
石も好きだし木の実も好きだけれど、これも結構好きで写真を撮っておいたりする。

時間もないし、早速拾いますか。

この海岸、恐ろしく波が強い。ドドドドドッと激しい音を立てて、テトラポッドに波がぶつかる。いつかあの波が襲ってきやしないかと、ビクビクしながら石を拾う。

少し雨も降ってきていて、石は濡れてしまっている。ベリーハードモードに突入だ。
だが、一体何回石拾いをやってきたと思ってやがる。この程度、乾いた状態を想像することくらい、お茶の子さいさいよお。

海で拾った石|黒部の海岸

石拾い 海 富山県境海岸と黒部の海岸


って拾った石がこちら。
全然乾いた状態を想像できていなかった。

予想以上に色が変わる変わる。
落ち込んでいてもしょうがない。この中から選抜して、持って帰ることにした。


石拾い 海 富山県境海岸と黒部の海岸


それがこちら。
いやいやほんとに濡れた石拾いは難しいんですよ。

→いままでに拾ったいろいろな石

石拾い 海 富山県境海岸と黒部の海岸


寄りのカット。

本日の石拾いはこれにて終了。

福井のおいしいご飯を食べてTADA家にお泊りさせていただくことに。
石を洗ってTADA家でゆっくりしていると、土日も仕事の奥さんがご帰宅。
お帰りなさいませ。石の人がお邪魔しております。

食後に、TADAとお酒でも呑みながら、石を惚れ惚れ眺めていると、奥さんが一言。
「本当に石が好きなんだねえ」

なんだかすごく恥ずかしい気持ちになった。一般の方に石を愛でる瞬間を見られてしまった。。。
といっても石の人TADAの奥さんである。普通とは言えないだろう。

ん?
TADAが何やら持ってきた。


海で拾った石|TADAの石コレクション

石拾い 海 富山県境海岸と黒部の海岸


初回石拾いの雄島から昨日まで、拾った石のコレクションらしい。

石は日付ごとに分けられて、拾った場所が明記してある。
おいおいおい。待ってくれよ。一ヶ月も経たない間にあんた一体どれだけ石拾いにいっているんだ、、。一体どこまでいく気だTADA。

そして、TADAの選抜石ショーが始まるのだ。止まらねえな。

石拾い 海 富山県境海岸と黒部の海岸


絶妙にやわらかなフォルム、うっすら浮かぶ流線の模様。深い茶色が美しい。


石拾い 海 富山県境海岸と黒部の海岸


ミルフィーユのように重なる層が何とも美しい。


石拾い 海 富山県境海岸と黒部の海岸


これが瑪瑙(メノウ)というやつか。初めて実物を見た。
うねるような白の模様の奥に見える、べっ甲色に惚れ惚れする。


石拾い 海 富山県境海岸と黒部の海岸


これまた瑪瑙。
あまーい蜂蜜を固めたようなやさしい色。粉砂糖でもまぶしたようなその表面は、つい触りたくなってしまう。


石拾い 海 富山県境海岸と黒部の海岸


またまた瑪瑙。嫌がらせか。
こんなもの説明するまでもない、良いに決まってるだろ。
というか福井は瑪瑙が多いな!
今日、どうしてその海岸に連れて行ってくれなかったTADA。


石拾い 海 富山県境海岸と黒部の海岸


なんだこれは。
まるでステゴサウルスの頭のようなフォルムをしている。質感はマットで、触り心地はスベスベ。なんとも言えない、ぼかしのきいた渋い灰色が美しい。

ああ、なんか本気でくやしい。僕の持っている石のコレクションを完全に上回っている。
石の闘争心がメラメラと燃え上る。

でもTADAが明日、この石達が拾える海岸に連れて行ってくれるらしい。
先日メッセージで送られてきた、浜地海水浴場だ。
だ、だったらはやくいいやがれ!

なんか安心した、、。
あとは楽しく石の話や、奥さんのお腹にいる赤ちゃんの話などをしながら、お酒をおいしくいただきました。

ありがとうTADA。

また明日。おやすみなさい。


次回へつづく、思い出その十一と十二は、
TADAと行く、隠された聖地、福井の海と川の石拾い!



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石と海の思い出日記。

アーカイブページは下記より。

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